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お礼メールの書き方

お礼メールの書き方

論文を学術雑誌に投稿した後、編集者と査読者によって掲載受諾、却下、もしくは訂正依頼などのコメントが返ってきます。査読者は貴重な時間を割いて論文を読んだうえでコメントを書いてくれており、その多くは無償です。どのような結果であっても査読者にお礼の返事を出すことは大切です。今回は英文論文校正後の英文での謝辞メールの書き方とポイントを挙げていきたいと思います。謝辞メールに含む内容、査読者のコメントへの返事の仕方、そして役に立つ英文の表現も併せて紹介しています。

お礼メールに含むべき内容

まず何よりも大切なことは、査読者といえども一人の人間が論文を読む時間をわざわざ割いてくれている事実を理解することです。そして査読者の多くは自身の研究と仕事で忙しい中、締め切りが設けられている論文を読み、無償で査読しているケースが多いのです。論文の受諾・却下に関わらず、第一に感謝の気持ちを表しましょう。有益なコメントをくれたこと、時間を取ってくれたこと等、何に対して感謝しているのかを具体的に書くと、機械的でなく読んでいても暖かい気持ちになるメッセージになるでしょう。

“I thank referees for carful reading my manuscript and for your useful/helpful suggestions.” などが一般的です。もし共同で論文を書いていた場合は、”I””We”に変えましょう。Referee も同じで、査読者が一人の場合は単数形で、数人いる場合は複数形できちんと表します。基本的ですが大切なポイントです。また特に素晴らしい丁寧なコメントを返してくれていた場合は、”for fruitful suggestions”などと表現を変えることをお勧めします。”for suggestions, in particular/especially ….” などと、詳しくどんなコメントに感謝をしているのかを書くと、謝辞のテンプレートを使用しているのではなく、オリジナルでお礼のメールを書いているのだと伝わるはずです。最終的に論文掲載を決定するのは編集者ですので、編集者の目を意識しながら、謝辞を述べるとより良いです。

査読者のコメントへの返事

感謝の意を表したら、次はコメントに関する返事です。査読者の中にはダイレクトに強く辛辣なコメントや評価をする人もいます。時間と労力を注ぎ完成させた論文に批判的なコメントが来たら誰でも傷ついたり、時には腹が立ってしまったりすることもあるかもしれません。ですが、査読者はいじめるつもりでコメントを書いているわけではありません。より質の高い論文になるよう手助けするためにコメントを書いてくれているのです。どんな内容であっても一つ一つのコメントをきちんと受け入れ、それに対して感謝の意と返事をしましょう。その際、個々のコメントに対し一つずつ返事をする必要があります。査読者が照らし合わせやすいように書き方に工夫をします。一般的に、”My (Our) responses to the referees’ comments are as follow:” と書き始めます。もし、査読者が数人いる場合はその後、”Response for the first referee”、”Response for the second referee”と続けます。コメントには全て返事をするということを必ず忘れないでください。その際、査読者が論文に加えたオリジナルのコメントも一緒に書いておくと、査読者がいちいち自分で書いた論文のコメントを探す必要がないので親切です。訂正した箇所は必ず明記し、訂正できなかった箇所にはきちんと理由を述べます。

査読者が指摘した箇所以外にも訂正を入れる場合があるかと思います。その場合は、”In addition to the corrections pointed out, I changed…” のように書き加えます。何故訂正を加えたのかの理由もきちんと一緒に書きましょう。最後に、”I apologized for…” と謝罪を入れるとより丁寧です。

最後に、どうしても査読者のコメントで納得がいかないものもあると思います。論文の著者は査読者のコメントに必ず従わなければいけないという規則は存在しません。相手を納得させられるだけの論証を与えられれば、査読者のコメントに反論することもできます。しかし、前述したように査読者は忙しい中論文を読んでコメントを返してくれています。そのことに敬意を必ず払い、失礼のないようにきちんと証拠を揃え、査読者のコメントに従えない理由を述べましょう。ただし、査読者のコメント通りに論文校正したほうが、結果的に論文雑誌への掲載は近づきます。

以上の内容を踏まえ、査読者(と編集者)に向けた謝辞メールを書くと、論文著者に対する心証は良くなります。査読者が忙しい中、時間をかけて論文を読み、コメントを添えているということを決して忘れず、敬意を持ってコメントに返事を書きましょう。最初にまず感謝の意を伝え、可能であれば”in particular”などの後に、「特にどの部分に感謝しているのか」などを挙げます。それだけでも印象はよくなります。 特に英文で返信するとなると、文法の間違いや表現の間違いによって失礼なものになりかねません。また、メールなどで英語に間違いがあると誤解も生まれる可能性もありますし、評価も下がるかもしれません。英語に自信がなかったりする場合は、英文の論文校正サービスに確認してもらうことをお勧めします。 査読者が無償で忙しい日々の中コメントを書いてくれています。たとえどんなに短いコメントでも辛辣な評価でも、それらに貴重な時間を割いてくれています。丁寧かつ間違いのないメールで謝辞メールを送りたいものです。