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学会抄録の書き方について

学会報告や論文投稿の際に必ず必要になるのが抄録、つまりアブストラクトです。学術雑誌に論文を投稿する際は、査読者は抄録だけでなく論文本文も読むので採択する際の判断材料が多いですが、学会発表の際は学会抄録のみで採択を決めるため大変重要な存在です。今回の記事では、学会発表時に欠かせない、発表の顔とも言える学会抄録の書き方について詳述します。

 

学会抄録とは

学会抄録とは、一言でいうと研究内容を抜粋したものです。抄録は研究内容を決められた少ない文字数で論理的かつ明瞭に記述します。学会で研究の発表を行いたい場合、研究者はこの学会抄録を提出しなければなりません。学術雑誌では抄録と論文の両方を投稿するので掲載の判断材料は論文そのもののであるのに対し、学会発表では論文を提出することはまずないので、この学会抄録のみが評価材料になります。つまり、質の良い学会抄録が書けるかどうかによって、学会で発表させてもらえるかどうかが決まります。

学会抄録の構造

学会抄録の構成は基本的に決まっており、背景と目的、方法、結果、考察/結語から成り立っています。まず最初の「背景と目的」では、先行研究や自身の過去の研究などを言及し、研究の目的を新規性を明確に示しながら記述します。そして「方法」でソフトウェアなどを含む実際に研究で用いた方法の説明を書きます。それから「結果」で研究によって得られた結果を客観的に数字とデータを見せて表し、「考察/結語」で研究のまとめを一貫性を持たせて書きます。学術論文の場合はジャーナルによってフォーマットの規定が決まっていますが、一般的に学会発表には指定されたフォーマットは存在しません。しかし文字数の制限や含まなければならない項目などは必ず守りましょう。

 

学会抄録の書き方における留意点

良い抄録の条件のひとつは、各項目が明確に分かれて書かれていることです。たとえば、方法と結果が同じ箇所で書かれてしまうと、査読者には非常にわかりにくい抄録となってしまいます。査読者は基本多忙な中で多数の抄録を読まなければならないので、情報がわかりやすくスムーズに入ってくるような抄録が望ましいです。次に目的が簡潔かつ明確に記載されており、新規性を示していることです。新しいテーマで研究の意義があるという点を示す必要があります。またひとつの発表につき研究目的はひとつが原則です。ひとつの発表にいくつもの目的を入れることのないよう、一番答えを出したいテーマだけを選びましょう。最後は抄録に一貫性があることです。時折抄録内で一貫性のないことが結語で書かれていたり、実際の研究とは関係のない項目が入っていたりするケースがあるようですが、それらの研究は信ぴょう性がないと判断されます。趣旨が一貫しているかどうかは常に意識しましょう。

そのほかにも、冗長な表現がないこと、客観的な数値やデータが示されていることも重要です。特に抄録は文字数に制限があるので、目的や研究背景では冗長にならないよう気をつけ、簡潔に研究目的を示し、方法では必須項目だけを挙げスムーズに結果につながるような構成を目指しましょう。結語も長々と書くのではなく、できるだけ一文でまとめると、明瞭かつ簡潔、そして趣旨の一貫性がある抄録に仕上がるでしょう。

英文校正時に再確認しておくポイント

学会抄録は文字数の制限があるため、できるだけ短い文章で明確に研究内容を記述する必要があり、それを英語で行うとなるとより大変な作業となります。抄録を書く際にはある程度決まった英語の言い回しがあるので、冗長な表現を避けるためにもいくつか覚えておくといいでしょう。まず、「目的」でよく使用される英文は、「The objective of this study was」や、「We aimed to analyze…」などの書き出しです。これほど明確に研究目的を表す表現はないでしょう。研究内容に合わせ、analyze, examine, measure, identify などの英単語を選びます。これらの英単語の選択を間違えてしまうと研究の趣旨が間違って伝わりますので、単語の選択も重要です。「方法」では研究で使用した方法、器具の名前、手順などを明確に提示します。「we conducted a qualitative…」などのようにどのような方法を用いたのかを最初に書きましょう。必要に応じて被験者の数や簡単な情報も併せて書きます。「結果」で研究により得たデータを3~6文程度でまとめます。ここで気を付けるのは時制です。研究はすでに終了しているので、かならず過去形を用いて書きます。Qualitative ResultsとQuantitative Results ではデータの提示表現が異なるので、英文での執筆に不慣れな人は注意が必要です。

抄録を書き終えたら、必ず英文校正を行います。まず自身で冗長な表現がないかの確認、正しい英単語が使用されているか、第三者が読んでも研究内容が明確かを徹底的に確認します。そして可能であれば専門家の英文校正者に校正を依頼しましょう。専門家が読むことで、客観的に研究内容が記述されているかの判断がつきやすくなります。明瞭な抄録執筆を目指し、是非とも学会での研究発表につなげていきましょう。

総説の書き方について

総説論文とは特定の分野やトピックについて、過去に発表された文献や資料に基づき総括的に論評した種類のものを指します。一般的には、総説、レビュー、英語表記だとReview Articleなどと呼ばれています。関連文献をまとめた物であるので、二次的
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レターの書き方について

研究論文や症例報告などの学術論文の執筆と並んで、レターの執筆も研究者にとっては良い機会です。雑誌に出版された最新の論文に常にアンテナを張り、批判的思考(critical thinking)を持って読み、著者に論理的にコメントをすることは、
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症例報告の書き方について

症例報告、つまりケースレポート(case report)は、臨床診療から得られた発見や新しい知識などを発表し、医療業界の医師たちに広く認知してもらうことを目的とした論文の一種です。ベテラン医師だけでなく、研修医や若手の医師、また初めて論文を執筆する研究者にとって着手しやすいと言われています。
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図表の示し方について

論文の結果のセクションでは、研究で出た結果を明瞭に記述する必要があり、そのためには図表の使用が効果的だということを前回の記事で述べました。ただ、図表を用いて読者にわかりやすく示しましょうと言っても、研究に関わった患者のデータや疾患、治療の経過などあらゆる情報と数値が存在し、それらを図表でまとめる作業も決してたやすくはありません。
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引用文献の書き方

引用文献とは

研究論文を執筆する際、先行研究を記した過去の論文を読む必要があります。過去の記事で執筆したように現在どのようなことが研究で明らかにされていて、どの問題が残っているのかを判断するためです。研究は未だ解決されていないもの、もしくは過去の研究に問題があると判断されるものを解明するために行うものです。過去の論文をしっかり読み自身の研究をどう組み立てるのかに役立てます。
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結果の書き方について

論文はアブストラクト、イントロダクション、方法、結果、考察などのセクションから構成されています。方法と同様に詳細に記述しなければならないのが結果です。図や表などを効果的に用い、読者が目を通しただけで簡単に研究結果とそれに関わった患者の情報がイメージ化できるように記述する必要があります。
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考察の書き方について

考察(Discussion)は、Abstractとイントロダクションで記述した研究目的およびテーマについて、臨床研究で出た結果をまとめ分析し、再度解説する目的を持っています。Abstractでは簡潔に研究テーマと内容について概説し、イントロダクションで何故この研究が重要なのかを読者に伝えますが、それらを研究結果を用いていかに効果的に研究の重要性を伝えられるかが質の良い考察の条件と言えます。
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方法の書き方について

臨床研究の論文において最も重要な要素の一つと言っても過言ではないのが方法、Methodです。論文にはアブストラクト、イントロダクション、結果、考察など様々なセクションで構成されていますが、Methodはその中でも一番詳細に記載しなければなりません。詳述されていなかったり、説明が明確でなければ論的証拠がないと判断されてしまい、研究そのものが画期的であってもジャーナルに掲載されずリジェクトになる可能性もあります。
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