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論文における記号の使い方

日本語で論文を執筆する際に句読点や鍵括弧などの記号を使用するのと同様に、英文での論文作成でも用途に合わせて記号を使用する必要があります。記号を用いる主な目的は、文を区切り読みやすくする、引用文を提示する、言葉の定義を示すなど、読み手が戸惑うことなくスムーズに論文を読み進むことができるように導くことです。しかし英語の論文で使用する記号の種類は独特の記号も存在し、その使い方も適格に把握しておく必要があります。今回の記事では、英文の論文校正で使用する記号の種類と使い方、その際の注意点を紹介していきます。

記号の種類と使い方

日本語の句読点にあたる英語の記号が、コンマ「,」(comma)とピリオド「.」(period)>です。コンマは「区切り」をつけたり「挿入句」を入れる役割を果たし、日本語の読点の使い方とよく似ています。コンマは感覚で使われることもありますが、基本的なルールもいくつか存在するので見ていきましょう。

  1. 3つ以上の事柄を並べるときに使用する。(A, B and C)

  2. 「接続詞副詞」の後に使用する。

     接続副詞とは二つの節(独立した文章)をつなぐ役割を持ち、「nevertheless, however, therefore, besides」などが挙げられます。(I was very tired last night. However, I had to study for the exam.)

  3. 導入節がくる際に使用する。

    Ifの節や、分詞構文で文を構成する時に使われます。(If it rains, we will not go on a picnic. )日本語でも、「もし雨が降ったら、」のようにコンマで区切ることがあります。

続いて英語特有とも言える記号がコロン「:」(colon)とセミコロン「;」(semicolon)です。コロンは「何かを列記するとき」と「定義や説明をするとき」に使用されます。よく「コロンは同格」というように学校でも説明されるように、基本的にはコロンの後ろに続くものは同じことであることを示すためにコロンが使用されます。コロンの意味は英語で言う「that is to say」「here’s what I mean」と同様なのです。

  1. 列記としての役割(Here is what I need: cheese, milk and sugar)
  2. 定義としての役割(Tokyo: the capital city of Japan and one of its 47 prefectures.)
  3. 説明としての役割(It was not easy: to begin with, I had to find the right topic.)
  4. クオーテーションの前(They announced: “You are all staying here tonight.”)
  • コロンの使い方の一つの注意点として、コロンの後は固有名詞でない限り大文字表記しないということです。ですが4番の例にあるように、引用としてセリフを書き込む場合は大文字で文章を始めます。また論文では、事柄を列記する場合1番のように、一文で書く場合と、一つ一つ段落を変え列記する場合があります。その場合はコロンで文章を止め、コロンの後を改行してから書きます。
    例)The followings are research methods used in this research:
    1. a. Quantitative research
    2. b. Case study
    3. c. Survey

    コロンとよく似ている形のセミコロンの使い方を紹介します。セミコロン「;」の形を見てみると、ピリオドとコンマの形が合わさったものです。その見た目の通り、セミコロンは「ピリオドとコンマの中間の役割」を果たします。つまり、ピリオドを打って文を終わらせはしないけれども、単純にコンマを打って文を区切るよりかは強調して区切ります。

    1. 二つの文により関係性を持たせる。

      Some people write with a computer; others people write with a pen or pencil. これは別々の文章でもちろんピリオドで分けることもできますが、セミコロンでつなぐことで、この二つの文章により関係性と等位を持たせることができます。

    2. 接続副詞で文をつなげる。

      I was very tired last night; however, I had to study for the exam.

      コンマの説明での例文と同じですが、ピリオドの代わりにセミコロンを使うこともできます。その際は、「however」は小文字で書き表します。「however」の後のコンマはそのまま残ります。

    3. 列記するものが多い場合、セミコロンを用いることで、読み手が混乱するのを避ける。

      The seminar has people who have come from Yokohama, Kanagawa; Nagoya, Aichi; Kobe, Hyogo; and other places.

      横浜は神奈川県にあり、名古屋は愛知県にあり神戸は兵庫県に位置し、そのカテゴリーごとにわかりやすく分けながら列記する際にセミコロンは活躍します。もし上記の文を全てコンマでつなぐと以下のようになります。

      The seminar has people who have come from Yokohama, Kanagawa, Nagoya, Aichi, Kobe, Hyogo, and other places.

      この文だと横浜、名古屋、神戸が都市名で、神奈川、愛知、兵庫が都道府県だというカテゴリー分けが明確ではありません。読み手が誤解したり混乱したりせずにすむよう、効果的にセミコロンを使うことでより読みやすい明瞭な論文になります。

      引用文を書く際はクオーテーションマークを使います。クオーテーションマークにはシングルクオーテーションマーク「’’」とダブルクオーテーションマーク「””」の二種類がありますが、どちらを使うべきかの明確な規則はありません。論文の投稿先の規則を論文校正時に必ず確認するようにしましょう。明確な規則はないと言っても、論文内の表記を統一することは重要です。引用にダブルクオーテーションを使ったら必ずそれを一貫しましょう。

      最後に、ハイフン、enダッシュ、emダッシュの使い方についてです。この三つは形はとても似ていますが使用方法は異なるので注意が必要です。ハイフンは主に複合形容詞(例:self-esteem)を作成する際や、単語の途中で改行すると言葉の途中で切れてしまうので、一つの単語だと示すためにも使用されます。enダッシュは期間を表す場合、複合語を作成した場合すでに一部にハイフンで繋がれている部分がある場合などに使用されます。一方emダッシュはenダッシュよりも長い棒線で、文章の途中に挿入句を入れる場合や引用文の著者名を入れる際に使用します。ただし、enダッシュとemダッシュはコードを入力する必要があり、使用ソフトなどによっては文字化けする可能性もあるので、ハイフンで代用する場合もあるので、論文校正の際は投稿先の指示を把握しておくことをお勧めします。

    記号の使用における注意点

    日本人の書く論文には記号の表記において多くの間違いが見られると言います。一つの要因としては日本語フォントや記号の使用です。日本語の記号は2バイト文字なので、読み手のコンピューターに日本語フォントのソフトがインストールされていなければ文字化けする危険性があります。近年論文の提出はオンラインでなされ、読者はもちろん自分のコンピューターで読みます。文字化けした記号が羅列する論文は意味をなさず、素晴らしい内容を書いていたとしても受理されません。また、日本人は丸や三角、チェックマークを使用しますが、記号の定義は各国違います。特に丸やチェックマークは日本と西洋では意味がまったく異なるので、書いた内容が西洋の読者には100パーセントで伝わらない可能性もあります。記号の意味を定義したうえでは使用しても問題ありませんが、定義抜きで使用すると評価の悪いコメントが送られる場合があります。記号のフォント、定義付け、投稿先のルールを必ず確認して論文校正するよう心がけましょう。

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