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論文掲載が決定した後の手続きで知っておかなければならないこと

論文掲載が決定した後の手続きで知っておかなければならないこと

979471_s苦労して書いてきた論文が、ついにアクセプトされ、掲載が決定した後はどのようなプロセスを経ていくのでしょうか。編集部からの連絡をうけてからの流れを説明していきたいと思います。

 

1.雑誌編集部から論文の受理の連絡が来た後

査読に関するやり取りを終えた後に、雑誌編集部から論文受理の決定に関する連絡が来ます。

その後、投稿者にとっては以下のようなことを求められます。

投稿前よりタイトなスケジュールが要求されることが多いので、集中して取り組むことが重要です。

 

1.License Agreement

ひとつ目は、著者の全員に出版に関する同意を得るプロセスです。論文の内容として問題ないことを最終確認してもらうこと、そして著作権に関することが含まれる場合もあります。

なお、自分たちが投稿した論文の図表などを再利用してよいかどうかについては別の話になります。

論文を投稿する際に著作権譲渡契約書(CTA)を読むことが重要です。

著作権の所有者や、出版物を再利用する際のルールが明記されています。

論文全体の再利用が許されるのは、他言語に翻訳して他誌で再掲載する場合や、学会やセミナーでの発表(コピーは100部まで)、研究機関のレポジトリへの採録、個人ブログへの掲載(CTAによる公開猶予期間(エンバーゴ)は通常12ヶ月)、手を加えずにそのまま学位論文に利用する場合などと記載されていることがあります。

再利用に際し、商業目的や利益目的ならば、使用許諾費が発生しますのでしっかり確認しましょう。

 

2.校正(Proof)

校正刷り原稿(Proof)を限られた時間内(2日以内、72時間以内など。詳しくは雑誌編集部からの連絡をしっかり読みましょう)に校正をする必要があります。

Proofの内容をよく読まずに「確認」ボタンを押してしまいがちですが、この段階での修正は基本的には最後の修正チャンスです。

以降は基本的には修正を受け付けてくれませんので、集中して取り組むようにしましょう。

修正するべき点については以下のような点に注意してみるとよいでしょう。

  1. 著者リスト・所属
  2. 綴りミス
  3. 参考文献リストの番号
  4. 図表の結果と本文中の結果の齟齬
  5. 図表のズレ  など

基本的には内容自体を修正することは許されていません。上記のようなミスの修正に限られると考えておきましょう。

特に英文校正後、リバイズ対応で結果を変更した後に本文と図表との結果が合致しないなどのことがあり得ますので、最終的なチェックを行うチャンスにしっかりと確認しておくとよいでしょう。

 

2.出版にはどれくらいの時間がかかるものなの?

通常は出版までに数か月を要するものと考えておくとよいでしょう。雑誌によっては掲載までの目安を教えてくれる場合もありますが、ない場合もあります。

受理からPubmedなどで公開を経て雑誌のオンライン出版(online first, epubなど)を経て、正式な掲載となることが多いのですが、オンライン出版の直後にPubmedに紹介されることが通常ですが、そこの時差もあり得ます。

Visual abstractが最近流行していますが、これをオンライン上に掲載して論文を紹介するスタイルがあります。

正式な出版よりも先行して成果をできるだけ早く世の中に届けようという出版社なりの工夫なのだろうと推察されます。

 

3.論文受理から雑誌編集部からの連絡がない場合の対応について

論文受理の連絡を受けてから編集部からの連絡を待っている状況は何とももどかしいものです。あまりに長い場合には忘れてしまうかもしれません。

少なくとも受理から1~2週間おきくらいにはメールをチェックするようにしましょう。

ハゲタカジャーナルからの果てしない招待メールが来てしまう昨今の状況の中で、Spamに分類されることも少なくありませんので、Spamメールの受信箱も確認するようにしましょう。

また、投稿用のプラットフォームにもメールのコピーが掲載されていることがありますので、投稿者自ら、そして責任著者は時々投稿プラットフォームまで確認するようにするとよいでしょう。

 

まとめ

受理された論文のその後の手続きについて説明しました。校正段階では、これが最終チェックの場であることを認識して、一つ一つの項目をじっくり確認するようにしましょう。