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2021 4月

タイトルページの書き方

4177351_s論文を執筆する際に、アブストラクトや本文の前に、「タイトルページ」というセクションがあります。論文の構成のなかでは目次の役割を果たします。

「なんだ目次ぐらい」

と思われがちですが、情報に不備があれば次のステップに進めませんので、まずこのTitle Pageをしっかり準備することが大切です。

投稿先の規程に沿って用意すれば、それほど手間のかかるものではありません。

 

1.一般的なタイトルページの要素

論文のタイトルページには以下の項目を記載することが一般的です。

  1. 論文のタイトル
  2. Running head または short title
  3. 著者名
  4. 所属名
  5. 連絡著者(corresponding author)の連絡先

論文のタイトルには試験デザインに関する用語を入れるようCONSORT声明やSTROBE声明等で求められています。

Running headとはジャーナルによって字数制限が異なりますが、完成した論文のタイトルを短縮したもので、完成論文の欄外(ページ上)に印刷される簡略標題です。ここで字数制限はWord count(語数)ではないことに注意が必要です。

著者名は筆頭著者からcontributionの高さに応じて名を連ねていきます。最後に研究責任者やプロジェクト責任者の名前を入れることが多いかと思います。

所属は人によっては複数ある場合がありますので、著者名の右肩に数字を入れて所属名を著者名のリストのあとにまとめてリストアップするスタイルが一般的です。所属組織を記入する際に迷うのは、研究実施時点と論文執筆時点にずれがある場合です。

一般的には現在所属している機関だけでなく、研究当時所属していた機関・組織、所在地も記載することが一般的です。部署名、機関・組織名に略語は使用しないようにしましょう。

連絡著者は論文投稿、査読者や編集者とのやり取りをする人のことです。筆頭著者が兼ねる場合もありますが、研究代表者が務めることもあり、その分野や所属組織の慣習に従うことになるかと思います。連絡著者の連絡先としては、氏名、電話・ファクス番号、メールアドレスを記載することが一般的です。

 

2.何より大事なタイトルの決め方

タイトルは論文の顔です。

論文で一番主張したいこと」が凝縮されていなければなりません。タイトルの決定は、本文を書く前、書いている途中、書き終わってからといろいろなタイミングがあり得ます。一般的には本文を記載し終えるころには論旨が明確化してくるのでその時点で見直しをするとよいでしょう。

逆に、本文を執筆し終えてタイトルを考えている間に、本文の主張がぶれていることに気づいたりすることがあります。そんなときにはもう一度全体を見直し、主張に一貫性があるかどうかをよく検討しましょう。

また、文字数などジャーナルの投稿規定をよく確認することは重要です。それぞれのジャーナルには特定に決まり(投稿規定)が存在します。例えば、ジャーナルによってタイトルの書き方に対する注意事項が明記されているケースもあります。

もっとも重要なことは、報告する以上の内容に”盛る”ことなしに、事実に即した内容であること、そして読者の興味を引くようなタイトルにするべきです。実際にはとても難しい作業ですが。

 

3.タイトルページに記載することを求められることがある要素

上記以外にもタイトルページに求められる要素はジャーナルによって様々です。一般的には以下のような項目を記載することが求められることがあります。

  • Financial support: 研究を実施するための資金の出どころについて記載する
  • Conflict of interest:研究費、機器、薬剤の提供元などを含む利益相反 (COIがない場合もその旨を記載する。)
  • 統計解析・英文校正など論文執筆の際に受けたサポート
  • 本文の総単語数
  • 図表の数
  • キーワード

Financial supportでは、研究のために支給された助成金や提供された薬剤・機器の明示が求められます。

“This study was supported by a grant (No. XX) / YY company. ” など簡単に記載します。

Conflict of interestでは、その研究と関係すると考えられる場合も含めて、論文の客観性に影響する可能性を持つ利益相反について述べます。

ない場合には、“The authors declare no conflicts of interest associated with this manuscript.”, “The authors have no conflicts of interest directly relevant to the content of this article.” などと記載します。ジャーナルによって記載するセンテンスが決められている場合もあるので確認してください。

利益相反があるかどうかは投稿そのものを妨げるものではありませんのでご安心ください。

そのほか、英文校正などもここに記入する場合もあれば、最後の謝辞(acknowledgement)に記載する場合もあります。

本文の単語数や図表の数も規定通りになっているかを確認するために記載が求められる場合があります。

キーワードは本文と関係する3~5個程度のフレーズを記載します。

 

まとめ

タイトルページは論文の顔になりますので、本文同様気を抜くことなく記載しましょう。詳しくはジャーナルの投稿規定をしっかりと読み込むことが重要です。すべての要素がそろっていることを確認してから英文校正に提出しましょう。

論文のレイアウトの組み方について

201803 2

研究が一段落し、結果をまとめることになり、いざ論文を書き始めようとすると、様々な”お作法”があることに気がつくと思います。知らずに進めてしまうと後から書き直しを余儀なくされてしまいますし、そのまま投稿するなどもってのほかです。そこで、本日は、論文レイアウトの”お作法”についてご紹介致します。

 

 

1.基本的なレイアウト

以下の様な約束ごとが暗黙のうち、あるいは投稿規定に明示されています。

1)手書きは原則避ける:まあ、今の時代でしたらそうですよね。
2)A4用紙に片面印字する
3)タイトルページから順序よく書く
4)ページの番号をつける
5)マージンを広く取る: よく見かけるのは、1インチ(25.4 mm)空けろとあります。

 

2.フォント・サイズ・行間

読みやすい字体・大きさを用いることが基本となります。

雑誌の投稿規定に詳しく書かれていることが多いですが、

Manuscripts must be double-spaced with numbered pages; use of 12-point Times New Roman and an unjustified right-hand margin is preferred. (Information for Authors and Journal Policies, American Journal of Kidney Disease より抜粋)
We prefer the use throughout of a ‘standard’ font, preferably 12-point Times New Roman. (Final submission, for authors, https://www.nature.com/nature/for-authors/final-submission より抜粋)

などと書かれています。Times New Romanしかダメ!というところもあるので、このフォントにしておくとたいていは問題がないと思われます。

12ポイントというのも多くのジャーナルが採用しているのですが、投稿規定をみて確認しておきます。

ダブルスペースというのは行間を2行分とるということで、ワードの機能で簡単に設定することができます。

なお、図の中に入れ込む文字は飾り気がないほうが見やすいので、ArialとかHelveticaが好まれるようです。

Question: “Which font looks best in a scientific figure?”
Answer: “Arial or Helvetica, always.” (“Which Font Looks Best in a Figure?”, Jillian M. Buriak, Chemistry of Materials 201628, 689–690.より抜粋)
Lettering should be in a sans-serif typeface, preferably Helvetica or Arial, the same font throughout all figures in the paper.   (Final submission, for authors, https://www.nature.com/nature/for-authors/final-submission より抜粋)

ということで、本文は12ポイント、ダブルスペース(2行)、Times New Romanで記載し、図はArialまたはHelveticaの5~7ポイントで記載するのがよいということになります。ジャーナルごとに必ず確認してください。

 

3.英語?米語?

英米の単語を使い分けることは重要です。イギリス英語なのかアメリカ英語なのか、ジャーナルの投稿規定を必ず確認してください。重要なのは、英文校正を依頼するときからいずれの言語にすべきかが変わります。投稿先がかわると英米の英語も変わりますので、要注意です。

 

4.略語について

Abbreviationやacronymはジャーナルで指定される略語は断わり無く使っていい場合があります。例えばAMは午前のことであるとか、mEqはmilliequivalentのことであるとかそういった常識的に用いられている略語についてです。

そうではなく、本文中でのみ通用する略語を自分たちが作って使う場合には、タイトルやアブストラクトを除き、最初にでてきたときにスペルアウトして括弧に略語を記載(例. fasting blood glucose (FBG))することになっています。しかし、あまり頻繁出でて来ない場合には略語を用いないようにしてください。ジャーナルごとに大体の目安が明示されている場合もありますのでご確認ください。

an abbreviation should be used five or more times in a manuscript; if its mention is more infrequent, then you should cite only the unabbreviated term. (Chicago Manual of Styleより抜粋)
Non-standard abbreviations should not be used unless they appear at least three times in the text. (PLOS ONE, Journal of Experimental Medicine, Journal of Immunology 他の投稿規定を参照)

最低でも3回は出てきてくれないと略語を用いない方がよいということになりそうです。

 

5.単位の表記

国際単位系(SI)を基本的には用いますが、各国の単位系にあわせさせられることも多々ありますのでこれもまた投稿規定をしっかり確認することが重要です。

いずれにしても基本的には単位を本文中、および図中に必ず記載することが重要です。

 

まとめ

論文のレイアウトの方法を概説しました。投稿規定を必ずしっかりと読み込むことが重要です。英文校正以前に、基本的なレイアウトは執筆者自らが頑張る必要がある部分です。そしてここは書いてあることを忠実に守ればよいのです。逆にここで手を抜いてしまうと、論文そのものの内容がいくら優れたものであっても、

基本的なルールも守れない人

という評価になってしまう可能性があります。一つ一つきっちりと仕上げていくことが肝心です。