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論文のレイアウトの組み方について

論文のレイアウトの組み方について

201803 2

研究が一段落し、結果をまとめることになり、いざ論文を書き始めようとすると、様々な”お作法”があることに気がつくと思います。知らずに進めてしまうと後から書き直しを余儀なくされてしまいますし、そのまま投稿するなどもってのほかです。そこで、本日は、論文レイアウトの”お作法”についてご紹介致します。

 

 

1.基本的なレイアウト

以下の様な約束ごとが暗黙のうち、あるいは投稿規定に明示されています。

1)手書きは原則避ける:まあ、今の時代でしたらそうですよね。
2)A4用紙に片面印字する
3)タイトルページから順序よく書く
4)ページの番号をつける
5)マージンを広く取る: よく見かけるのは、1インチ(25.4 mm)空けろとあります。

 

2.フォント・サイズ・行間

読みやすい字体・大きさを用いることが基本となります。

雑誌の投稿規定に詳しく書かれていることが多いですが、

Manuscripts must be double-spaced with numbered pages; use of 12-point Times New Roman and an unjustified right-hand margin is preferred. (Information for Authors and Journal Policies, American Journal of Kidney Disease より抜粋)
We prefer the use throughout of a ‘standard’ font, preferably 12-point Times New Roman. (Final submission, for authors, https://www.nature.com/nature/for-authors/final-submission より抜粋)

などと書かれています。Times New Romanしかダメ!というところもあるので、このフォントにしておくとたいていは問題がないと思われます。

12ポイントというのも多くのジャーナルが採用しているのですが、投稿規定をみて確認しておきます。

ダブルスペースというのは行間を2行分とるということで、ワードの機能で簡単に設定することができます。

なお、図の中に入れ込む文字は飾り気がないほうが見やすいので、ArialとかHelveticaが好まれるようです。

Question: “Which font looks best in a scientific figure?”
Answer: “Arial or Helvetica, always.” (“Which Font Looks Best in a Figure?”, Jillian M. Buriak, Chemistry of Materials 201628, 689–690.より抜粋)
Lettering should be in a sans-serif typeface, preferably Helvetica or Arial, the same font throughout all figures in the paper.   (Final submission, for authors, https://www.nature.com/nature/for-authors/final-submission より抜粋)

ということで、本文は12ポイント、ダブルスペース(2行)、Times New Romanで記載し、図はArialまたはHelveticaの5~7ポイントで記載するのがよいということになります。ジャーナルごとに必ず確認してください。

 

3.英語?米語?

英米の単語を使い分けることは重要です。イギリス英語なのかアメリカ英語なのか、ジャーナルの投稿規定を必ず確認してください。重要なのは、英文校正を依頼するときからいずれの言語にすべきかが変わります。投稿先がかわると英米の英語も変わりますので、要注意です。

 

4.略語について

Abbreviationやacronymはジャーナルで指定される略語は断わり無く使っていい場合があります。例えばAMは午前のことであるとか、mEqはmilliequivalentのことであるとかそういった常識的に用いられている略語についてです。

そうではなく、本文中でのみ通用する略語を自分たちが作って使う場合には、タイトルやアブストラクトを除き、最初にでてきたときにスペルアウトして括弧に略語を記載(例. fasting blood glucose (FBG))することになっています。しかし、あまり頻繁出でて来ない場合には略語を用いないようにしてください。ジャーナルごとに大体の目安が明示されている場合もありますのでご確認ください。

an abbreviation should be used five or more times in a manuscript; if its mention is more infrequent, then you should cite only the unabbreviated term. (Chicago Manual of Styleより抜粋)
Non-standard abbreviations should not be used unless they appear at least three times in the text. (PLOS ONE, Journal of Experimental Medicine, Journal of Immunology 他の投稿規定を参照)

最低でも3回は出てきてくれないと略語を用いない方がよいということになりそうです。

 

5.単位の表記

国際単位系(SI)を基本的には用いますが、各国の単位系にあわせさせられることも多々ありますのでこれもまた投稿規定をしっかり確認することが重要です。

いずれにしても基本的には単位を本文中、および図中に必ず記載することが重要です。

 

まとめ

論文のレイアウトの方法を概説しました。投稿規定を必ずしっかりと読み込むことが重要です。英文校正以前に、基本的なレイアウトは執筆者自らが頑張る必要がある部分です。そしてここは書いてあることを忠実に守ればよいのです。逆にここで手を抜いてしまうと、論文そのものの内容がいくら優れたものであっても、

基本的なルールも守れない人

という評価になってしまう可能性があります。一つ一つきっちりと仕上げていくことが肝心です。