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編集者の決定への対応

編集者の決定への対応

911083_s提出した論文に対して雑誌編集部から決定が下されます。提出したままの原稿がそのまますんなりと雑誌に掲載されることはまずありません。通常は査読のプロセスを経て何らかの修正を加えたのちに最終原稿となり、雑誌に掲載されます。このようなプロセスの中でどのように論文の内容への変更が反映されていくのでしょうか。今回は編集部からの決定への対応方法を解説したいと思います。

 

1.査読結果が届いて行うべきこと

論文原稿を提出してしばらくすると、査読を経た論文原稿に対して修正すべき点を明記した連絡が著者のもとに届きます。

その段階までいかずに編集部で掲載不可となる場合も少なくありませんが、査読後のコメントが届くのは望みがあります。

この段階ではまずは査読者からのコメントを一つ一つしっかり理解することにあります。中には手厳しいコメントもありますが、たいていのコメントは建設的で論文をいかにして洗練させるかということに心を砕いてもらっていることが伝わるようなコメントであることが多いと思いますので、まずは心を落ち着けて対応しましょう。

修正方法については、大きな変更を必要とするmajor revisionと、誤字脱字、表現方法の変更などで済むようなminor revisionがあります。

Major revisionとなった場合には、必要に応じて追加の解析や実験を行って結果を補強あるいは修正するようにしましょう。

 

2.訂正論文の書き方

修正が必要な場合には、査読コメントに対するresponse letterとともに送るための修正原稿を作成します。

査読結果に基づいた論文の訂正をする際には、どこをどのように修正したのかを明示することが重要です。修正点や削除した部分を論文の投稿規定に合わせて訂正しましょう。消去する場合には二重線にする、修正点を赤く色を変更する、などのように方法が明記されていればそのように行いましょう。

そしてresponse letterのほうには、修正した部分と内容をページ数と行数などとともに記載して査読者が容易に探すことができるように配慮しましょう。

できればresponse letterとともに修正原稿は英文校正に提出しておくことをお勧めします。ほんの少しのこともあれば結果が大きく変わる場合もあります。

また、解析をし直した場合に該当する図表を変更したあとで本文にも結果を入れている場合にはそこも含めて訂正する必要があり、要注意です。そういった観点からも英文校正に提出することが望ましいと考えます。

 

3.自己修正

査読者からの指摘以外にも自ら修正すべき点を見つけることがあります。その場合には、response letterの表紙の文章にその旨を記載するとよいでしょう。また、その修正すべき点が、査読者からの指摘と関連している場合にはその部分で修正を行った旨を記載することもできるでしょう。

重要なのは、勝手に元の原稿と違うものにしない、ということです。

 

4.著者の変更

一般的には、正当な理由があれば、著者の追加や削除は可能です。

査読で大幅修正を求められれば、新たに別の研究者の協力を得て修正を行う必要が生じるかもしれません。

修正作業を進める前に、関わる著者全員と、変更について確認する必要があります。

削除の必要がある著者については、必要に応じ、謝辞のセクションなどで貢献を認める必要もあるかもしれません。

著者を変更する場合は、理由を添えて編集者に報告してください。

 

5.投稿論文の取り下げ

残念ながら査読後に原稿を取り下げざるを得なくなることがあります。

そのような場合にも編集者に連絡をすることが必要ですが、まずは原稿の査読プロセスにかかる時間や労力に感謝の意を伝えます。

査読コメントのおかげで、大幅に修正を加える必要が生じてしまったこと、そしてそれはもはや修正では対応できないことを丁寧に伝えるようにします。

解析や実験をやり直して再度同じジャーナルに投稿することも念頭において丁寧に記載することをお勧めします。

 

6.掲載不可通知された論文はどうするべきか

掲載不可となった場合、よほどのことがない限りその雑誌にもう一度チャレンジしても望み薄です。この場合には次のジャーナルへの投稿に向けて気持ちを切り替えるべきです。

しかし、もし掲載不可となったとしても、査読に回り、建設的な意見をもらっていたとすればそれは次の投稿への糧となります。

リジェクトされたときはその知らせを読むことでさえいやになってしまうかもしれませんが、勇気をもってコメントに目を通すようにしましょう。

 

7.まとめ

編集者の判断から査読に回り、査読結果が返ってきてからの一連の流れを解説しました。

査読者に対しても、編集者に対しても、非礼のないように心がけましょう。