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薬学論文の書き方の注意点

薬学論文の書き方の注意点

今回は薬学論文の執筆、投稿および英文校正について説明したいと思います。専門用語の飛び交う薬学論文を英文で作成する場合には、論文のフォーマットを始め、読者が理解しやすいような論文を書くために英語表現の技術を磨いたり、構成の仕方であったり、留意すべき点は数多くあります。今回の記事では、投稿先のガイドライン、英語の表現力、論文構成と英文校正、そしてタイトルのつけ方についてひとつずつ見ていきましょう。

投稿先ジャーナルのガイドラインの確認

投稿先ジャーナルの論文提出におけるガイドラインを必ず確認します。論文の構成、フォント、記号の書き方、原稿のスタイルなど様々な規定を設けているジャーナルは多く、その規定に則って執筆がされていない場合、論文の内容が良くてもリジェクトされる可能性があります。注意するポイントは、英文の略語の表記の仕方、ピリオドの有無、有効な記号、日付等です。略語などは論文本文には使えても、アブストラクトでは正式名称で書く必要があるなどの規定も時に存在します。また、見出し番号や、論文内の図表にも規定が設けられている場合があるので、必ずガイドラインの示す通りに執筆します。そして薬学雑誌であれば、統一用語というものも存在します。「医療薬学用語集」などを使用するようにとの指示があれば、掲載されている用語に従って論文を統一しましょう。

冗長な表現を避け、徹底した英語表現力を

続いて論文を書く段階での留意点です。英文の論文では冗長なライティングは嫌われます。関係代名詞を必要以上に使った文章などがその例です。同様に曖昧な表現も徹底的に排除されなければいけません。主語が明確でなかったり、広義に解釈できる単語などを頻繁に使ってしまうと読み手が間違って理解する場合があります。関係代名詞でなく分詞構文で書き換えられないか、そもそも複雑な言い方をする必要があるか、アカデミックな単語を使って誤解の生まれない語彙選択をしているか、書いているときはもちろん、英文校正の段階でも第三者の目になって読み直す必要があります。読み手の誤解はほぼ間違いなく書き手の表現力不足です。書き手はすべての考えが頭にあるため、曖昧な表現を使っていても気づかない場合が多いです。論文に携わっていない人に読んでもらうのも、誤解の生まれない論文作成に欠かせません。アカデミックライティングに役立つ表現などをリスト化し、それを基に論文を書いていくと、重複した表現なども避けられ、スタイルも統一できるのでお勧めです。

薬学論文の構成について

薬学論文に限らず、論文には一定の構成ルールがあります。ここでは、論文の構成と留意点について述べていきます。まずはタイトルと著者です。タイトルは論文のテーマを簡潔に表したものにします。読者へのアピールとなるものですので、じっくり時間をかけてタイトルを仕上げます。そして次に要旨、サマリーもしくはアブストラクトと呼ばれるものです。この要旨には論文の全要素が組み込まれいる必要があります。どのような方法を用い結論が出たのか、研究のバックグラウンドなど手短にかつ正確に記述します。要旨のあとはイントロダクションが続きます。論文のバックグラウンドを述べ、執筆している論文が既存している論文に基づく場合にはその論文の引用も行います。
論文の要である方法と結果、それに基づく考察へと移っていきます。読者が研究内容を再現できるように、方法は詳しく、誤解の生まれないよう記述します。他の論文を参考にした場合などはそれについても言及します。統計解析を行った場合も「方法」の箇所で述べます。そして結果では図表などを有効に使い、結果を視覚化します。結果を客観的に、かつ多くの角度からみることで、素晴らしい考察へと移ることができます。推論などは述べてはいけません。考察では方法から結果が導かれた過程を記述し、研究方法と結果について言及します。最後は参考文献と図表の記載で締めくくります。これが基本的な論文の構成です。

タイトルの重要性

タイトルは論文の顔です。読み手が読んだだけで論文のテーマが理解できるものでなくてはいけません。しかし、すべての情報を数文字しか与えられていないタイトルに入れることは不可能です。タイトルには一語たりとも無駄なワードを含めてはなりませんが、簡潔かつ必要充分な情報を含むことは必要です。日本語の論文にも共通して言えますが、体言止めが基本で、タイトルには簡潔に重要なキーワードを含めます。例えば「Coffee effects on blood pressure」だと文章になっています。これを「The Effect of Coffee on Blood Pressure」「Caffeine’s Effect on Blood Pressure」のように書き換えます。書き換えられたタイトルは文章になっていません。これが体言止めの例です。タイトルを決める際はブレインストーミングをして可能な限りのキーワードを出し、何度も書き直してみると、自分の論文を正確に表したタイトルが作成できるはずです。

まとめ

論文の英文校正では一貫して、冗長性を排除し、論文の内容が読み手にすんなりと入っていくような表現を心がけます。常に徹底した簡潔な英語表現を意識し、アカデミックイングリッシュに徹します。論文本文では研究方法と結果などの既成事実を客観的に簡潔に書くことが必要です。要旨が論文の内容と完全一致し、かつ無駄な情報が含まれていないことと、論文の体裁の一致を英文校正で確認していきます。ポイントは、体裁が一致し、内容が一貫していて、無駄のない簡潔かつ説得力のある論文を書き上げるということです。