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医学論文の盗用、ねつ造の注意点

医学論文の盗用、ねつ造の注意点

論文執筆にあたり著者が十分に注意をはらわなければいけないのが、論文の不正行為です。論文の盗用、ねつ造、データの改ざんなどが主な不正行為として取り上げられています。また、他の研究者のアイデアを盗むことも不正行為の一つです。不正行為は研究者および著者の故意によって起こるだけでなく、過失によっても引き起こされる場合があり、研究者は慎重にならなければいけません。医療業界に関わらず、世界的に論文の盗用やねつ造は増え続けており、しばしば一般のニュースでも取り上げられています。このことからわかる通り、科学界での不正行為は報道に取り上げられるほど深刻な問題だということです。では、どのような行為が盗用やねつ造とみなされてしまうのか、そしてそれが発覚した場合のペナルティについて述べていきます。

盗用、ねつ造とみなされる行為とは

前述した通り、研究者および論文の著者の故意もしくは過失によって盗用やねつ造などの不正行為がなされ、その重大度も様々です。基本的に盗用とは、他者の研究結果やデータ、図表、文章などを引用せず、自分のものとして論文に記載することです。特に、コピー&ペーストで他者の論文の一部分を自分の論文に貼り付ける行為、もしくは他者の論文にパラグラフなどを追加し、一部を変更する行為は悪質な盗用として認められています。ただし、正しく引用さえすれば、他者の研究者のデータや図表を使用すること自体は盗用ではなく、文章であってもそのまま使うことができます。一方ねつ造とは、存在しないデータや研究内容を、あたかも著者および研究者本人が行ったかのように論文などに記載することです。また、研究結果のデータなどを故意に変更することを改ざんと言います。盗用、ねつ造そして改ざんが三つの主な不正行為として、日本だけでなく世界でも認められています。

また、日本で見られる盗用のケースとしては、海外の論文に言及する際に、正しい引用のされ方がされておらず剽窃と判断されるケースです。また、引用する英文が十分に言い換えされていれば剽窃とみなされませんが、英語力が足らず言い換えが不十分で、結果剽窃になってしまうこともあるようです。そして、日本語で執筆した論文をただ英訳して海外の学術雑誌に投稿することも、同一の論文投稿とみなされてしまいます。

ペナルティについて

論文の盗用やねつ造が発覚した場合、どのようなペナルティがあるのか。これは想像に難しくはありません。私たちが普段目にするニュースですら論文の盗用を取りあげているのです。つまり、社会的制裁がまず加えられます。論文の不正行為自体は法に触れるものではありませんが、程度によっては詐欺罪が適用される場合もあります。論文における盗用やねつ造が発覚すると、研究者が科学界に留まることは大変難しく、大抵懲戒処分が下されます。信用、発言力そして影響力も失います。博士論文であれば、博士号の授与が打ち消されます。また不正行為を働いた研究者や学生の監督も処分を下される場合があります。

引用や言い換えが不十分な場合などの程度が低い不正行為の場合は、論文訂正などが先ず課されます。こちらも大きな問題ではありますが、論文修正後は雑誌に掲載される場合もあるようです。つまり、悪質な盗用やねつ造はそのまま医学界追放になるということは肝に銘じておくといいでしょう。

盗用とねつ造とみなされないための注意点

論文執筆時に他の論文からのアイデアやデータ、図表、文章などを用いる際は、どの文献やWebサイトから引用したのかを明記しなければいけません。また、直接引用する場合は文章がクオーテーションマークで示されているかどうか、英文校正の際に見直しすることが盗用にならずにすむ方法です。また、英文を借用する場合は言い換え(パラフレーズ)もできますが、単語や表現、語順などを変更する必要があります。十分な言い換えができるように英語の表現力をつけることも重要です。

一方、研究過程では手書きの実験ノートをペンでつけて保管しておくのも有効な手です。パソコンなどのデジタルで実験ノートをつけても訂正は簡単に行えますが、手書きでペンで作成すると、修正の後などがすべて残ります。修正する場合もペンで二重線などを引き訂正内容を加えます。そして、日付と時刻も書き込んでおくと信ぴょう性があります。この手書きのノートは、万が一データねつ造や改ざんなど不正行為を疑われた場合に、不正行為を行っていないことを実証してくれる証拠の一つになります。不正行為が疑われ調査が行われる場合は実験ノートなどの提出も求められるので、手書きで細かく記したノートを作っておくと安心です。

直接法的な裁きがなくても、不正行為は背信行為であり、発覚すれば社会的地位を失い、制裁が加えられます。自身の専門分野に身を留めることもかなわず、発言力も失います。博士論文などであれば学位剥奪もされます。故意でおこなった不正行為はともかく、無意識に過失によっても起こってしまう盗用とねつ造は、科学者にとって恐ろしいものです。英文校正の際に、盗用および剽窃行為がないか、引用方法は合っているかなど、細心の注意を払って確認しましょう。