医学論文の英語校正ならジーニアスプラス

 最近話題のAI技術の論文に関して

 最近話題のAI技術の論文に関して

近年、人工知能(AI)という言葉は日常生活で頻繁に耳にするようになりました。人工知能を搭載したロボットなどの研究が日々世界中で行われ、実際の機関でも活躍しています。一番身近なAIと言うと、iPhoneのsiri を思い浮かべる人も多いでしょう。実際にsiriが人工知能であるのか、人工無脳であるのかなどの議論はなされていますが、詳しい専門の定義を抜きにしても、人工知能の存在はもはや私たちの生活からは切り離せないものになっています。
私たちの生活に劇的な変化をもたらすことが予想されているAIですが、近年、学術界においてもAIからの影響を与えており、その活躍は今後ますます大きくなっていくと専門家は考えています。今回の記事では、AI技術が論文にいかなる影響を与えるのかについて述べていきます。

まず、AIとは

ご存知の方も多いと思いますが、AIとは人工知能 “Artificial Intelligence” のことです。人工的な人間の知能を機械に搭載することで、機械はただ決められた作業の稼働をするのではなく、人間の脳を持って、知的な仕事を行います。身近な例のiPhoneのsiriを挙げれば、siriに話しかけると必要な答えが返ってくるというもので、機械と会話ができるような仕組みです。これは自然言語処理能力が搭載されていて、コンピュータによる人間の言語の処理が可能になりました。そして今日、人間の知能を与えられたAIは、人間を遥かに超える処理能力と学習能力を持っており、人間にはできない高速情報処理や計算、複雑なデータの処理、データを基に傾向などを検出することができます。最近のニュースでは、人工知能が搭載された機械が囲碁の名人に勝利したことが報道されました。また驚くべきことに、自然言語処理能力を持つAIが、独自の言語を発達させ、AI同士で会話するケースもあるそうです。

AIと学術界

AIの持つ情報処理能力と、データ分析は既に科学界、学術界においても利用されています。出版社などは研究者から投稿された膨大な数の論文を読む必要があり、剽窃などが行われていないことを確認しなければいけません。AIにデータを持たせることで、新たに投稿された論文が、データの不正・盗用、剽窃などを行っていないかを検出することができます。
また、研究者が論文を探す場合にもAIは使われています。例えばAIが搭載されている検索エンジンは、入力されたキーワードを元に情報を分析し、影響力や評価の高い論文を優先的に見つけ出します。どんなに優秀な研究者でも、世の中に出た関連分野の論文全てに目を通すことは不可能です。AIを使用すれば、研究者が必要としている記述がある論文を見つけ出してくれるのです。他にも、人間に代わって論文を読み、内容を判断・分析し、研究者に結果を伝えるAIも存在します。このような機能を活用すると、研究者は有限である時間を有効に研究に費やすことができます。

期待されるAIのメリット

前述した通り、AIは人間を超えるスピードで情報を処理し、複雑なデータの分析ができるほか、自然言語処理能力も備わっています。これらの機能を持つAIが様々なメリットをもたらすことが期待されています。まずは、莫大な量のデータを処理し、論文のタイトルのみだけでなく内容まで分析できるAIは、各分野における研究のトレンドや傾向を示すことができます。研究分野の傾向の特定は、研究者にとって研究のテーマを決める際に大きな足掛かりになります。
そして、盗用や剽窃(プラジアリズム)の発見・防止にもAIは適用されます。自然言語処理の機能を用いることにより、AIは参考文献の論文から書き換えられた文章を割り出し、盗用や剽窃を見抜くことができます。参考文献の文章を丸写しにしたものだけを発見するのではなく、書き換えられた文章ですら特定できるのは、AIの持つ自然言語処理能力のたまものです。また、盗用や剽窃だけでなく、データの不正の特定も可能です。研究内容や論文に添付されたデータに不正な点や欠けている点などを割り出すこともできます。もちろん、研究者がデータを改ざんした場合も判別できます。
AIの能力は留まるところを知りません。査読者の選定にもAIが一役買うことができます。論文を読む人は査読者と呼ばれ、編集長が論文の主旨に適した査読者を選ぶのが一般的です。しかし、AIを用いることで、編集者の知らない、より最適な人材が見つかる可能性があります。莫大な量の論文のデータを保持し処理ができるAIは、データバンクから最適な人材を提供することができるのです。

AIが学術界に利益と革新をもたらすことは明らかです。また最近では驚くことに、査読そのものにもAIを使用する試みが行われています。莫大な研究論文の内容を把握するAIでなら、査読においても間違いを見つけ出し、文章解析ができるのではないかとの考えです。書き手の複雑な文章構成の理解が困難であること、また、AIが人間の予想に反して影響をもたらす可能性があることなど、実際には懸念すべき点も多いです。しかしながら、学術界とAIはすでに切っても切り離せない関係となってきているのです。