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医学論文の統計データの翻訳に関して

医学論文の統計データの翻訳に関して

根拠に基づく医療、それは治療における効果や投与薬の副作用などの臨床結果に基づいた医療の在り方です。医療従事者は公表された論文、臨床結果、症例報告などに絶えずアンテナをはり精通し、根拠を求めながら治療にあたることを心掛けなければなりません。そして科学的根拠に基づく医療に欠かせないものは、統計学によるデータ解析です。医学統計は集められたデータから普遍的な結論を導き出すために重要な手段で、統計データに誤りや疑問点が浮上すると必ず論文の査読者から指摘がされます。科学的根拠に基づく医療が提唱されて以来、医学統計のデータの質が大きく問われていて、実際に統計データの誤りなどが指摘されるケースも少なくありません。今回、根拠に基づく医療に欠かせない医学統計を行う際の留意点と、英語校正におけるポイントに関して説明していきます。

なぜ統計データが重要なのか

学会の発表や論文を読み解くためには、どのような統計学が使用されているのかを把握しておく必要があります。論文を執筆しない場合であっても、学会での発表を聞く際や、新しく出版された医学ジャーナルの論文を読む際に避けられないのが統計データの解析です。記載された統計データを正確に読み取れないと、論文の内容も理解できず、結果それらを基に医療行為をすることもかないません。新たに発表された診療方法を理解し、患者とともに治療方針を定めることを心掛けなければならない医療従事者として、統計データを解析するスキルは必要不可欠なものであります。もちろん実際に論文を執筆するに当たっては統計データの必要性は言うまでもありません。論文の執筆において統計解析で間違いを記述したり、検定法を乱用したりすると、査読者から鋭いコメントが届き、最悪の場合「リジェクト」されることもあります。

統計解析の書き方

統計解析の方法は論文内のMethods(研究内容)で記述します。Methodsは再現性を最重要視しなければならず、Methodsの再現性や適性基準、セッティングなどを正確に述べ、適切であることを示さなければ、確証のある論文と認められにくくなります。信頼される論文を書くには、アウトカムの定義と測定法を明記し、統計解析方法を完璧、かつ冗長にならないように記述しましょう。また、投稿先のジャーナルによっては、「Statistics」のセクションを設け、統計解析の手法を定めている場合もあるのでこちらも併せて確認します。
専門家が元のデータを参照、妥当性を判断し、論文に記載された結果を検証できるように統計解析の方法を記述する必要があります。詳細に記載し、出来るだけ結果は定量化します。文献から統計データを使用する場合は標準的な研究を引用しましょう。また、論文で使用される統計用語や略語、図などに用いる記号の定義を必ず記載し、ソフトウェアを用いて解析した際はソフトウェア名も忘れずに入れます。統計解析として記載される代表的な項目が、検定法、有意差基準、そして解析集団です。英語で論文を執筆する際は、統計解析の記述に使われる表現があるので、本やインターネットなどで確認するのがおすすめです。例えば、使用したソフトウェアを記載するのであれば「All statistical analyses were carried out with ソフトウェア名」などと書くと良いでしょう。英文校正では、第三者が読んでも統計解析の手法と結果が理解しやすいものかどうか、表現や情報量の確認を忘れずにします。

学術統計のサービス

医療従事者でも論文を読む際に統計解析が困難であると解答する人も多いことから、統計解析がいかに多くの研究者を悩ませているかが伺えます。そのような研究者を助けてくれる心強い学術統計のサービスが存在します。学会や論文の統計解析や、論文投稿後に行われる査読者とのやり取りで統計的な指摘を受けた際などに依頼することができるサービスです。統計解析に自信が持てない場合、業者に依頼すると、論文からデータにまつわる背景を読み取り、適切な統計手法を提案してくれます。また投稿後に査読者から統計解析について指摘を受けた場合も、受け取った指摘と論文を読み合わせ、より適切な解析方法を提案したりと、心強い味方です。このようなサービスを利用する場合は、統計学のエキスパートが業務を行っているかどうか確認するようにしましょう。また、英語で書かれた統計解析の翻訳のサービスおよび、日本語で書いた統計分析を英語に翻訳する業者もあります。英語で論文を書くのが国際基準となりましたが、科学的根拠に基づく医療において、正確な統計解析は必要不可欠です。英文で論文を執筆する場合、英語と統計解析のプロがいる業者を見つけ、統計の手法や解析の翻訳、英文校正の依頼をするようにしましょう。