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医学論文図表の示し方

医学論文図表の示し方

医療従事者や研究者にとって研究結果などを執筆し、学術雑誌に投稿することは欠かせない業務の一つでもあり、功績を残す手段でもあります。医療関係の論文は、研究対象の患者や症例、経過、結果などにおいて膨大なデータ量が存在し、それらを効率的に図表にまとめることは、良質な論文を執筆するうえで欠かせません。研究内容を的確にかつわかりやすく説明するための図表の示し方やそれに関わる注意点などを紹介します。

図表の活用と重要性

冒頭でも挙げた通り、医学論文には膨大なデータ量がつきもので、図表をうまく使い、研究内容をわかりやすく伝えることができるか否かが、直接良質な論文か否かにつながります。多くの学術雑誌のガイドラインなどでも、図表の重要性を説いています。学術雑誌に論文を投稿した場合、編集者がまず論文の概要を把握するのですが、図表の表示の仕方が優れているかどうかが、アクセプトとリジェクトを隔ててしまうことも少なくありません。優れた図表は研究内容の全体像が見えるので、読者の本文を読むという作業も軽くなり、論文を読んで混乱してしまうという問題も避けられます。また冗長な文章を避けることもできます。一方で、粗末な図表は読者が研究内容の概要を把握できないだけでなく、誤った理解をしてしまう場合もあります。いい論文とは、複雑な研究内容を明確にかつ簡潔に描写しているもので、それを可能にするためには図表を有効活用するほかありません。次に図表の作成の仕方について述べていきます。

図表の作成の仕方

いかなる類の論文を書く場合でも共通して言えるのが、投稿先の学術雑誌の規定をきちんと把握することです。とくに図表に関しては、図表の数や形式など、細かく指定している雑誌もあります。海外の学術雑誌のガイドラインには、掲示物に関する項目があり、一般的に「Display Items」などと表記されています。英文校正の際は、表記の方法が規定内容にあっているかどうかも併せて確認するといいでしょう。
投稿先の規定を把握した後は、どのようにデータを表示するか決定します。今回の記事は図表に関してのものですが、もちろん研究内容が複雑でなかったり、広範囲にわたるものでない場合は、文章で描写します。表示物の使用を決定した場合は、次にどんな種類の表示物を使うのか決めます。表示物は大きく分けて、図と表があり、図とはグラフ、散布図、写真、イラストなどが含まれます。
精密な数値や具体的なデータなどを表示する場合は表を、一般的なデータや傾向などの表示は図が適しています。症状などの経過を視覚化したい時は写真も使用できます。グラフなどは研究結果のまとめに使用されることが多いようです。
図表のタイプを決めたら、あとは読者が図表から研究内容の全体像が把握できるかどうかを意識しながら作成していきます。図表に限らず論文は読み手の立場に立って執筆されるべきですので、可能であれば他者に図表を確認してもらうといいでしょう。前述した通り、学術雑誌の編集長や査読者も図表の出来具合を重視する場合が多いです。

図表の注意点

図表の表示方法を間違えてしまうと、読者に大きな混乱を招くだけでなく、最悪の場合剽窃などの判断されてしまう場合もあります。図と表両方に共通して言える注意事項は、投稿先の学術雑誌の規定に則っており、本文に引用される順番で図表にも番号が振り分けられていることです。また、参考文献から図表を借りる場合は必ず引用します。英語で論文を執筆する場合、MLAやAPAなどフォーマットのスタイルがあるので、それに従い引用をしましょう。引用の方法を間違えるとそれだけでプラジアリズムと判断される場合もあります。それでは次に、図表それぞれの作成における注意点を挙げていきましょう。
まず図を作成する場合、投稿先の雑誌の規定に従ってフォーマットや画質を設定し、図中の文字や数字などは論文内で必ず統一します。図を使用する利点は、イメージで研究内容が把握できることですので、図で表されたデータが明快であるかも確認します。顕微鏡写真を用いる場合は内部スケールマーカーを入れ目立つようにします。患者の写真を挙げる場合は、身元が割り出されないように配慮し、また患者本人からの許可書も取得しましょう。図のタイトルは図の下に書き、通し番号もつけます。
次に表における注意点です。表は1ページにつき1つだけ記載し、本文で述べている順番に番号をふります。また表には必ずタイトルが必要で、表の上に記載します。英語で論文を書く際は、タイトルが名詞句になっていて文章ではないことを、英文校正で確認します。表の中の数値は小数点以下の数値を揃え、小数点の位置も統一します。また、表内で略語を使用する際は、その用語の説明も脚注で必要となるので、忘れないようにしましょう。

最後に

論文の質を決めるといっても過言ではない図表の示し方について説明しました。図表には学術雑誌の規定を始め、多くのルールが存在し、それに従い作成する必要があります。また医学論文は患者の写真を使うこともあるので、倫理的に問題なく図が提示されているかも重要です。英文で論文を書く際は、フォーマットに注意し、選択したスタイルに従い引用します。図表のタイトルを含む記号や説明文の書き方、また本文で図表について言及する際、複雑な英文が必要になることもあります。英文校正では、図表のフォーマット、タイトル、引用のスタイルおよび説明文の英文を十分に確認しましょう。
複雑で膨大なデータを含む研究内容を、簡潔に、かつ明快に示すことができるのが図表です。データの表し方や図表の選択を的確に行えば、読者が混乱する事なく研究の全体像が見える素晴らしい論文に仕上がることは間違いありません。