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目的にあった研究の組み立て

目的にあった研究の組み立て

医学論文の執筆において、まず研究テーマを決定し、明確な研究目的を定めることが重要です。研究で取り扱う問題を詳述し、なぜ自分の研究がそれに対して学術的に意義のあるものなのかを追求し、研究の目的を明確にすることが良質な論文への第一歩です。そして研究の目的を明確化した後は、その目的にあった研究を組み立て、仮説を立てます。現在は仮説を立て、それを立証する仮説検定法が主流で、その概念は西洋式科学から来ています。自分が取り扱う「問題」を明確に記述し、未解決の事柄を挙げ、自分の立てる仮説がどう解決するのかを根拠をもって説明しなければいけません。今回の記事は、目的にあった研究の組み立てについて説明していきます。

仮説を実証する研究

現在は仮説を立てそれを立証する仮説検定法が主流だと述べました。この仮説は西洋科学の概念から来ており、「論理的な研究」を重んずる西洋では、仮説の科学が絶対です。英文で論文を書き、国際的に論文発表を目指す人は特に西洋式科学の概念をもって研究に取り組み執筆することが望まれますが、まだ日本では仮説を立てて行う研究の組み立ての教育が十二分にされていないことが懸念されています。西洋式の研究は仮説検定法を用い、それに基づき研究の組み立てを行う方法を取っており、最初に仮説を設定し、その仮説を検証できる研究法を構築しなければいけません。科学者たちによると仮説とはつまり、合理性のある提案のことで、うまくいかなければ仮説を変更するという姿勢で研究が行われています。仮説の設定を基本とする西洋式科学になれるためにも、日ごろから西洋式科学にのっとった研究の論文などを読むことをおすすめします。また英文で書かれた論文を読むことにより、仮説や研究方法の記述の勉強にもなり、後の英文校正にも役立つのでおすすめます。

 

仮説の設定

先行文献を読み、研究目的を決定したのちは、研究目的と課題に対して自身で答えを予想します。その予想された答えが仮説です。これはもちろん出鱈目に思いつくまま仮説を立てていいものではなく、先行文献を基に筋の通った合理的な仮説でなければいけません。先行文献を基に、論理的根拠に基づく仮説を納得のいくまで立てましょう。この仮説で研究の方向性と検証法が決定し、論文の良し悪しが決まります。過去の研究をしっかりレビューし、なぜ自分の仮説が意義を持つのかということを意識しながら取り組みましょう。

 

評価項目の設定

研究目的に合った仮説を立て、研究方法を構築するためには、評価項目を設定する必要があります。評価項目とは臨床試験で評価したい項目のことで、主要評価項目と副次評価項目のふたつにわけることができます。主要評価項目はその研究においてもっとも明らかにしたい重要な項目のことで、一つの試験に一つのみ設定されなければいけません。副次評価項目は主要評価項目ほど重要ではないけれど、その研究で明らかにしたい項目のことであり、複数個盛り込むことができます。研究目的にあった評価項目かどうかを、論文の英文校正において注意深く確認しなければいけません。
主要評価項目に関する統計結果を基に、仮説が立証されるか否かを判断するため、統計法の選択は大変重要です。現在、従来からの統計法と、新しく開発された統計法とがあり、統計法の数は多くなっています。統計ソフトも開発されているため、複雑な統計法も増えていますが、実際、従来の単純な統計法で間に合うケースがほとんどですので、自分の研究目的と仮説の実証に見合ったものを見極め選びましょう。
データ収集と解析も、慎重にならなければいけないポイントです。データの種類は多く、それよって適用できる統計法は異なります。主要評価項目のデータの種類に基づいて適切な統計法を選択しましょう。統計法の決定後は仮説が成立するか否かを判定します。研究で一番明らかにしたい主要評価項目における統計結果を重点的に示す必要があります。主要項目と共に設定された副次評価項目の統計結果はあくまでも参考ですので、主要評価項目より重点的に記述することは避けなければいけません。 もし仮説が実証されない場合は、何が欠けているのか、まだ証明の余地はあるのかを判断し、先行文献やデータを再度集め仮説を立て直していきましょう。

 

最後に

目的にあった研究の組み立てと、仮説の設定、そして仮説の実証における手順を説明しました。西洋式科学の最重要な要素である仮説の組み立ては、論文の質をも決定するほど大切です。根拠に基づいた仮説であるのか、再現性があり実証できるのか、それを証明する主要評価項目の設定に問題はなく、正しい統計法が選ばれているかどうかなど、仮説ひとつを取り巻く要素は多くあります。実証できた仮説を執筆する際は、研究に関わっていない読者が読んでも簡単に理解できるよう明確かつ簡潔に記述されているか英文校正では何度も見直しましょう。