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タイトルページの書き方について

タイトルページの書き方について

文の構成やレイアウトと同様に、提出する研究論文のタイトルページの作成も重要な作業のひとつです。タイトルページに記載しなければならない事項は基本的に決まっていますが、各ジャーナルごとに規定が異なっている場合もありますので必ず論文執筆前に確認しましょう。研究者の中には論文の質は素晴らしいのにタイトルページで重要な情報や項目が抜け落ちているというケースが少なくないようです。
今回は論文の「顔」とも言われるタイトルページの作成方法について詳述しましょう。

タイトルページに必要な情報について

まずはタイトルページに記載すべき情報を列挙しましょう。第一に論文の顔である論文のタイトル、それからランニングタイトルが必要です。ランニングタイトルはスペースを含めて40字以内で書きましょう。タイトルに略語の使用は避けられるべきですがランニングタイトルには使用可能です。タイトルの決め方や書き方はこの記事の最後に記載しています。 次に論文の著者全員の氏名と各著者の最終学位、現在の所属機関や組織の名前などを記載します。現在所属している機関のみでなく、発表する研究が行われた時に所属していた期間や組織があればそれも併記し、所在地も書く必要があります。所属機関や組織の名前にも略語を使用してはならないので、正式名称で記載しましょう。それから英語でcorresponding authorと言われる連絡著者の氏名と電話およびファクスの番号、そしてメールアドレスを記載します。 その後、免責事項 (但し書きとも呼ばれる)と利益相反(conflict of interest: COI)を書きます。COIは研究者や研究機関の責任に不当な影響を与え、リスクが生じるなどの利害の対立関係にあることを指します。つまり研究には企業から資金提供がされる場合がありますが、研究結果が資金提供元に有利もしくは不利になる可能性があり、公正な研究結果の判断に影響をおよぼす懸念があるということです。学術集会などにおいてCOIの開示は義務付けられています。研究費、機器、薬剤の提供元などを含むCOIをタイトルページに記載しなければならず、COIがない場合は、その旨を書く必要があります。また、研究中の統計解析をはじめとした論文を執筆する際に受けたサポートも合わせて書きましょう。その後、謝辞、アブストラクト、図表の説明および参考文献などを除いた論文の本文のみの総単語数、アブストラクトの総単語数、そして論文中に記載した図表の数を書きます。 以上の項目は一般的にページタイトルに記載すべき項目です。投稿先のジャーナルがタイトルページに関して規定を設けている場合もありますので、必ず規定を確認し、それに従うようにしてください。

ランニングタイトルの規定について

ランニングタイトル(欄外表題)は、ジャーナルの各ページの上部もしくは下部に記載される短いタイトルのことで、論文執筆の際にはタイトルページに書くものです。論文のタイトルの短いバージョンとも言われ、タイトルと違って略語の使用が認められる場合が多いです。文字数の制限は基本的には40字ですが、略語の使用も含め、投稿先のジャーナルの規定を確認する必要があります。

タイトルの決め方、重要性について

タイトルは読み手が読んだだけで論文のテーマが理解できるものでなくてはいけません。簡潔にまとめつつ、論文の内容を集約したタイトルが理想的です。つまり、どのような研究をどのような方法を用いたのかがタイトルでわかるようにしましょう。しかし、すべての情報を数文字しか与えられていないタイトルに入れることは簡単ではありません。タイトルに無駄なワードを含めず、最低限のワードで必要情報を読者に伝えられなくてはいけません。タイトル作成においての第一のルールは体言止めです。体言止めとはつまり文章になっていないということです。それに加えタイトルには略語の使用も控えたほうがいいので注意しましょう。  またエンジン検索に多くひっかかるように、キーワードとタイトルの用語があまりかぶらないように注意しましょう。その上検索者が正確に検索できるようなワードを入れることが重要です。タイトルには時数が限られているため、 “Research on…” や “Studies on…” などのパートも省略しましょう。なぜなら研究論文の種類は必ず「Research」や「Study」であるはずで、それらをわざわざ記述する必要がないからです。英文校正時には、タイトルおよびランニングタイトルに不要な文字や不明確な表現がないか再確認するようにしてください。タイトルを作成する場合はまず思いつく限りのキーワードを出し、何度も書き直してみると、自分の論文を正確に表したタイトルができあがるはずです。査読者や編集者はもちろん、読者の興味を誘うようなタイトルをつけるよう工夫しましょう。