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結果の書き方について

結果の書き方について

論文はアブストラクト、イントロダクション、方法、結果、考察などのセクションから構成されています。方法と同様に詳細に記述しなければならないのが結果です。図や表などを効果的に用い、読者が目を通しただけで簡単に研究結果とそれに関わった患者の情報がイメージ化できるように記述する必要があります。
今回の記事では、結果で記述する内容および注意点について説明しましょう。

結果(Result)で記述する内容

結果では研究で出た結果を客観的に叙述しなければならず、研究者個人の見解や考察などを入れてはいけません。実験で出たデータをはじめとする結果をありのまま書くのが重要なルールです。ただ実験の結果で出た内容を全て書く必要はなく、Introductionで提起した問題への仮説を支える根拠となるもののみを記述するなど、記述する内容は厳選する必要があります。 結果を記述する際は、まずMethodsで記載した順番通りに項目内容を記入します。Methodsと異なる順番で記述すると読者は混乱してしまう可能性があるので、Methodsの記述順に沿って書きましょう。そしてデータの数値などは図表などを効果的に取り入れて提示し、査読者をはじめとする読者にとって理解しやすいよう明瞭に情報を提供します。同じ言葉や数字などを文中で繰り返すことも避け、明確に論理的に述べます。Resultsではあいまいな表現を使うべきではありません。結果の分析はResultで記述せず次のDiscussionで述べるので、考察や分析が結果で述べられていないか英文校正時にしっかりと確認しましょう。

結果で記述する一般的な記載項目

無作為化比較試験(Consort)において含めるべき一般的な記載項目は、調査参加者(Participant flow)、症例報告、基準値(Baseline data)、解析対象者数、アウトカムと推定、補足的分析、そして有害事象(harms)です。 一方観察研究(Strobe)であれば、調査参加者(Participants)、記述データ(descriptive data)、アウトカムデータ、主要な結果そしてその他の分析などが主な記載項目です。研究内容によって異なるので、自分の研究の結果を示すのに必要な項目は何かを十分に考慮し選択します。

対象者の選択結果

対象者つまり調査参加者の背景情報も記述します。背景情報は基本的に年齢、性別、人種、疾患名や病期などです。対象者の背景情報はTableを用いて表すと読者にとって把握しやすくなるのでおすすめです。そして研究の流れと結果およびサブの研究対象者などが複雑で文章化しにくい場合はフローチャートなどで表し、流れと関係が一目でわかるよう情報を提示するなど工夫が必要です。査読者が対象者患者を把握するのが簡単でない場合その論文はリジェクトされてしまうこともあるので、情報を明確に提示することの重要性を肝に銘じましょう。いくつかの対象グループがある場合、研究の結果がそのグループごとに異なったのか否かもTableなどを利用して明記すると研究結果の内容が視覚化できて良いでしょう。

評価項目

臨床研究では、一番明確にしたい主要評価項目(primary endpoint)と、それ以外にも発見したい内容である副次評価項目(secondary endpoint)の二つがあり、主要評価項目は1つのみであるのに対し、副次評価項目はいくつか用意することが可能です。 ここにおける注意点としては、副次評価項目が主要な評価項目として扱われていないかどうかです。主要評価項目が研究の目的に合っていても、論文を読み進めていくと、結果そして結論のところで副次評価項目で挙げた内容が主要評価項目として扱われている論文が時々存在します。研究を行い論文を書き進めていくうちに、主要評価項目と副次評価項目の立ち位置が変わってしまっているという状況です。執筆者は常に研究目的に合った主要評価項目を論文内で一貫性も持って記述し、あくまで副次評価項目は【secondary】として記述しなければならないことに注意しましょう。

補足的分析と有害事象

補足的分析(Ancillary analysis)とは実施した他の解析のことで、サブグループの解析や調整解析などを含みます。一方有害事象とは、臨床試験や医薬品の投薬によって発生する好ましくない反応、つまり害(harm)にあたると認識されるものです。臨床試験を行えばネガティブの反応もでることが多々とあります。ネガティブの結果については表記しない論文もありますが、倫理的配慮から言えばこれは許されることではなく、Consort 声明でも有害事象の明記は義務付けられています。有害事象を明記しなければ論文の読者はその治療がもたらすであろう有害性の可能性に気づかず、結果多くの患者に影響を及ぼすことになるのです。予期しなかった有害事象などが発生した場合それらも忘れずに結果で記述しましょう。

結果を記述した後の確認ポイント

結果を書き終わったら、参加者(Participants flow)、ベースライン・データ、解析された人数、アウトカムと推定、補足的分析そして有害事象などが抜けることなく記載されているか幾度も確認しましょう。また結果は客観的に簡潔に記述しなければならず、それを可能にする英語力も必須です。洗練された英文で明瞭に結果の記述がされているか英文校正で十分確認するようにしてください。