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論文の雑誌掲載の実情について

論文の雑誌掲載の実情について

実情

研究成果を残すという意味で、論文は最終的な目標地点になりますが、すべての研究論文が無事に受理されるわけではありません.

研究の世の中に対するインパクト、研究そのものの質、結果の頑健性・信頼性などを総合的に評価してジャーナルに採択されるわけですが、それ以外にも掲載に至るまでのプロセスに時間がかかる場合があります.

すべての論文が出版されるわけではない、その理由を、ジャーナル側の実情に合わせて述べていきたいと思います.

 

なぜ全ての論文が出版されないのか?

論文が出版にこぎつけるまでに、

  1. 編集部におけるチェック
  2. 査読
  3. 出版プロセス

の過程を経る必要があります. 編集部によるチェックでふるい落とされるものがかなり多いのが実情で、トップジャーナルでは3分の1程度(あるいはそれ以下)しか査読に回らないとも言われます.

また、編集部による確認を終えた後にも査読者がなかなか見つからないなどの問題があり、時間がかかります.

査読に回ったあとにも厳しいジャッジを受けます. 一流の雑誌であるNatureでは採択率は5%以下と言われています.

論文に掲載されない理由としては、論文も多すぎれば質を損ねる、ということがあると思われます. ジャーナル側としてはインパクトファクターを上げたいと考えていますので、出版後の2年間での被引用数が期待できないような、話題性の乏しい研究は採択率がどうしても下がりがちです.

つまり、論文出版に至る労力と、出版後の研究論文自体のインパクト(=購読者の増加に直結)によって数がある程度制限されてしまう、ということになります.

また、数が多すぎてしまうことで紙媒体のジャーナルは「印刷」という負荷を強いられることになります. このことも数を制限する理由の1つになりますが、eJournal、Open accessのオンライン出版に関してはこの点をクリアできることになります. Open accessの出版に関して障壁になるのは適切な査読者を無事に見つけることが困難になってきていることが原因と言われています.

実際、Open accessでは比較的歴史のある、とあるジャーナルに投稿した際、「2ヶ月で出版に至る」、といううたい文句であったにもかかわらず、2ヶ月経っても査読者を見つけることができなかった、ということがありました.

 

雑誌容量の限界

Open accessではあまり気にされることのない、雑誌容量ですが、冊子体になると話は別です.

ここには厳しい制限があります. あるジャーナルでは週に1冊発行しているのに対し、別のジャーナルでは2~3ヶ月に1冊発行している、といった具合に、ジャーナルによって発行頻度は異なりますが、冊子を手にしたときに掲載されている論文数を見れば自ずとその雑誌が処理できる論文数は限りがあることがわかるでしょう.

 

あなたの研究を掲載に至らせるために

このように、ジャーナル側の都合によっても掲載の上限がある程度決まってしまう、という現状の中で、いかにして論文を掲載してもらえるようになるか、というのは非常に重要な課題です.

日本の研究業績が世界からみて徐々にその順位を下げてきています. 対照的に中国が論文数、研究へのインパクトともに急激にそのプレゼンスを上げてきています.

研究に莫大な資金を投入し、研究者には論文出版に対するインセンティブを与えています. また、広大な国土、非常に多くの人口を抱えていることで研究対象者を容易に集めることができるなどという点からも今後もますますその存在感を増すことでしょう.

では我々に何ができるか. 日本人の緻密で丁寧な仕事には依然として高い評価を受けている印象があります. 自分達の研究の重要性を存分にアピールすることも重要です.

論文を投稿する際に添付するCover letterには自分の研究について簡潔・端的にアピールすることを許されています.

ここを疎かにしない、というのが1つのやり方です. 論文本文だけではなく、Cover letterにも力を注ぐこと、そしてできあがった文章に対して英文校正を行って読み手に不信感を抱かせないこと、ということも非常に重要です.

 

まとめ

今回の記事では、論文が掲載されないことの理由として、ジャーナル側の舞台裏から説明していきました.

ジャーナル側の門戸を通過するのに制限があるならば、自分の研究の重要性をしっかりと主張することが重要です.

入念な推敲と英文校正であなたの論文をアクセプトさせましょう.