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投稿先の雑誌の選択

投稿先の雑誌の選択

3799971_s研究結果がまとまり、いよいよ論文化!という段階になったとき、どんな雑誌に投稿するかというのは非常に大きな選択になります。今回は、投稿する雑誌を選ぶ際にどのようなことを念頭に置くべきか、まとめてみました。

 

1.日本語雑誌か外国語雑誌か?

日本国内の学会に所属するジャーナルも近年では英語版のものが随分と増えてきましたが、それでも一般的には日本語でまとめることが多いかと思います。

外国のジャーナルであればどこの国のものであれ、ほとんどの場合英語でまとめることになるかと思います。

英語にすることのメリットは、読んでくれる人が増える可能性が高いということです。Pubmedなどでもアブストラクトを掲載してもらえますから、一部でも読んでくれる人が世界中にいることになります。その点は日本語雑誌を遙かにしのぐメリットとなります。

しかし英語といっても米国英語と英国英語で分かれますので、投稿する際には注意が必要です。英文校正を出す際にもBritish EnglishとAmerican Englishを指定する必要があるので必ず確認するようにしましょう。

また、単位系も異なることがあるため注意が必要です。投稿規定をしっかり読んで確認するようにしましょう。

 

2.学術雑誌か商業雑誌か?

学術雑誌は査読のプロセス(ピアレビューと呼ばれます)を経て出版可否の判断、内容の洗練に向けた科学的な審査を受けることが多いのですが、多くの商業雑誌は、このプロセスを経ることなく出版されます。しかしながらこのようなプロセスを経ないからといって価値がないわけではありません。実際、商業雑誌にも数多くの利点があります。

  1. 専門家の監修に基づき、そのとき話題になっているトピックが取り扱われやすい
  2. その道の専門家によるナラティブな意見を学べる (Expert opinionの宝庫)
  3. 国内の実情を俯瞰できる

その反面、ピアレビューを経ないことによる、次のような欠点もあります。

  1. 様々な立場の専門家による審査を経ないため、内容が偏る可能性がある
  2. 研究方法や内容の妥当性、信頼性が担保されにくい(特に最新の知見について)
  3. 世界標準からは逸脱している可能性がある
  4. 学術的な意味合いが薄いと解釈され、学位審査の対象とならない

以上のことから、最新の知見を発表する場としては学術誌を選ぶほうがよいでしょう。

 

3.月間誌か週刊誌か?

出版される頻度が高いほど採択される件数は増えるので、単純思考では採択率が増えると考えがちです。しかし同時にそれは人気のジャーナルであるがこそ、出版頻度が高くなっていると捉えることもできます。ジャーナルごとに独自に採択率を公表している場合があり、それを確認するのが一番手っ取り早いでしょう。

 

4.どの分野の雑誌であるのか?

臨床医学研究の場合を例にとると、「高血圧症」をテーマにした研究を行った場合、そのまま高血圧関連の学会やジャーナルでの発表を目指す以外に、循環器学、内分泌学、腎臓病学などがあり得ます。

また、臨床医学ではあっても疫学研究の要素が強ければ公衆衛生学、疫学などもターゲットジャーナルになり得ます。

研究手法で目新しい統計学的な手法を用いている場合には、そのような方法論について特化した分野の発表という形を取りうることもあるでしょう。

ところで、インパクトファクターという指標がありますが、これはどれだけ他の論文に引用されたかによって高くなります。要するに科学的な貢献度が高いと見なされるわけです。その領域の研究者が大勢いるときや多くの関連ジャーナルがある場合に一般的にこのインパクトファクターは高くなりがちです。その領域の規模にかなり依存しているとも言えます。分野が異なる場合に比較する意義は薄いとも言われていますので、「インパクトファクター至上主義」に陥るのはよいこととは思えません。しかし依然としてhigh-impact paperに採択されることを目標にすることは少なくはありません。

また、非常にニッチな分野のジャーナルに投稿してもそれが誰の目にもとまらなければ投稿する意義が薄れてしまうかもしれません。そこで敢えて自分の専門分野とは少しだけ畑違いの領域の、high-impact なジャーナルに投稿する場合もあります。

この場合、その領域の人なら誰でも常識的に考えていること、あるいは独特の不文律のようなものがある場合があります。普段自分が所属している領域との違いに戸惑う場合もありますので、その領域に詳しい人からアドバイスを貰うなどの対策を講じることによって有益な情報を得られる場合がありますので、検討してみてはどうでしょうか。

 

5.紙雑誌かオンラインの雑誌か?

昨今では紙媒体は廃止の方向になり、オンラインになっていっています。ページ数の制限が比較的融通が利くということ、さらにsupplementary materialを使えばそれこそ際限なく図表を追加できるからだと考えられます。

また、カラーで追加費用がかからずに済むこともあり、それもオンラインジャーナルのメリットかと思います。

しかし商業誌では依然として紙媒体が多く、実際に紙のほうが読みやすいと感じる読者も少なくないためしばらくは紙媒体での出版は残るものと思われます。

 

まとめ

投稿する雑誌の種類についてまとめました。学術的な価値を優先した場合には学術誌を優先すべきですし、世界中の読者に論文を読んでもらうためには英語で書くべきです。

また実際に英語で論文を書く際には、どんなに自分の英語力に自信がある場合でも、非ネイティブ言語で書いた論文は必ず校正サービスを受けましょう。思わぬところにミスがあるかもしれませんので、ダブルチェックにも活用できます。