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巻頭辞(エディトリアル)を書く

巻頭辞(エディトリアル)を書く

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ジャーナルの目次のあとにその号の特に優れた研究、インパクトの高い研究に対して巻頭辞(Editorial)が掲載されて紹介されることがあります。このエディトリアルは誰が、いつ、どのように書いているのでしょうか?

 

1.エディトリアルとは?

学術雑誌の巻頭に、その号で取り上げられた論文を紹介する1~2ページ程度の短い論文です。

ある研究分野や特定のテーマに関して、未解決の課題や重要性が認識されているような問題点、今後議論されるであろうトピックに関して、雑誌で取り上げた論文と関連付けて言及しており、その分野における論文の重要性を理解するのに役立ちます。

エディトリアルは、SNSなどのメディアが発達する以前から存在していました。エディトリアルに取り上げられた研究を読めばその分野の最先端に触れることができるため、論文を読む優先付けが可能です。今でもエディトリアルで取り上げられた論文から読むことを習慣にしている研究者は大勢いますし、抄読会のために選ぶ論文の目安としている若手・新人研究者はたくさんいるでしょう。

 

2.エディトリアルは誰が書いているのか?

エディトリアルは誰でも書けるわけではなく、特定の専門分野に精通する人が執筆します。学術雑誌の編集者が書くこともあれば、編集者が直接専門家に依頼したり、あるいは専門家が学術雑誌に投稿する場合などがあります。

特に編集者が専門家に依頼する場合、というのは、査読のプロセスで非常に丁寧で建設的な提案をした場合などに時々あるようです。

Peer-reviewという過程を経て論文は世に出てくるわけですが、その過程で論文作成に貢献した査読者のコメントは表にでることは通常ありません。

ところが、優れた査読を行うことで編集者の目に留まり、エディトリアルの執筆を依頼されるケースがある、ということがあるというのは、査読に加わる際には大きな励みになるのではないでしょうか。

 

3.エディトリアルの書き方

1.構成・制限時間

エディトリアルは原著論文に比べてかなり短く、端的に記述されています。長さとしてはせいぜい2ページほどであり、参考文献なども必要最低限です。

アブストラクト→イントロダクション→方法→結果→考察、と進んでいく原著論文とは異なり、セクションに区切ることなくただ一つの文章を段落ごとに区切って述べていくスタイルが一般的です。

最初の段落をイントロダクションとし、筆者が議論したいトピックや問題を、重要度に従って順番に論じます。そして残された課題なども述べます。

論文が出版されるまでに記載しなければならないため、原著論文よりも短いとはいえ、英文校正などの確認作業を含めることを考えるとかなり急ピッチで仕上げる必要がある場合もあるでしょう。

 

2.説得力のあるメッセージをだす必要があるのか?

エディトリアルは、その雑誌の、今回の号において重要な論文について批判的に紹介する論文であることから、「ジャーナルの顔」ともいえるような位置づけとなります。ここで自分の論文が取り上げられることは研究者にとっては大変な名誉です。論文がその分野において最先端の内容を含んでいることを暗に示すことになるからです。

また、逆にエディトリアルを執筆する人にとっても重要な位置づけとなります。なぜならエディトリアルは頻繁に読まれる論文の一つであり、ジャーナルの顔の部分を任されたとみなすことができ、専門家として認められたことを意味するからです。エディトリアルの内容は、時に他の論文に引用されることもあります。

このように、エディトリアルは、取り上げられる側としても、書く側としても非常に名誉なことであるといえます。

 

4.まとめ

このように、エディトリアルを書くようにジャーナルから依頼されればそれは非常に名誉なことです。優れたレビューを行ったか、その分野の専門家とみなされた場合にのみ依頼されるからです。

実際にエディトリアルを投稿する場合は、執筆内容が投稿先の学術雑誌の主旨に合っているか、また何故このエディトリアルをその雑誌に掲載することが利点になるのかを述べた、エディトリアルカバーレターも一緒に編集者に送ります。

エディトリアルとカバーレターを書いたら、英文校正を依頼しましょう。