症例報告は初めて論文を書く人達にとっては登竜門となりますし、研究・教育機関に所属していない臨床医にとって、貴重な学術発表の機会でもあります。
今回は、症例報告について説明したいと思います.
1.症例報告とは?
症例報告とは、診療から得られた新しい知識を普及させるための手段です。
周知とは異なる症状や所見、すでに知られている疾患の新しい治療方法や珍しい合併症、治療に対する異常な副反応などといったことを報告するのが症例報告です。 (さらに…)
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症例報告は初めて論文を書く人達にとっては登竜門となりますし、研究・教育機関に所属していない臨床医にとって、貴重な学術発表の機会でもあります。
今回は、症例報告について説明したいと思います.
症例報告とは、診療から得られた新しい知識を普及させるための手段です。
周知とは異なる症状や所見、すでに知られている疾患の新しい治療方法や珍しい合併症、治療に対する異常な副反応などといったことを報告するのが症例報告です。 (さらに…)
「巨人の肩の上にのる矮人」(きょじんのかたのうえにのるわいじん、(nani gigantum umeris insidentes))という言葉にある通り、科学研究は先人たちが築き上げてきた成果の上に成り立っています。そしてあなたの研究テーマのどこまでがわかっていることでどこからがわかっていないことなのかを丁寧に紐解いていくことが科学研究の第一歩です。引用文献というのはまさに過去から現在に至る道しるべであり、どのような文献を引用するかによってあなたの研究の立ち位置を明確になります。今回は、文献を引用することの意義や具体的な方法についての具体的な作法について説明してみたいと (さらに…)
優れた研究論文には印象深い図表があるものです。論文を読むときに、本文に目を通さず図表だけ読む、という人もいるくらいですから、非常に重要なセクションになります。今回は、その図表の示し方について説明したいと思います。
図表次第で、論文の説得力は全く違ったものになります。査読者や編集者の判断にも影響するでしょう。
特に、異なる分野の研究者が多く読むようなトップジャーナルに投稿するときは、一目で内容がわかり、 (さらに…)
今回は論文の「考察」(=discussion)の書き方についてです。いうまでもなく方法と結果が論文の中心的な存在ですが、考察は結果をまとめ、意味づけをする上で非常に重要な役割を果たします。段落ごとに役割を持たせることを意識するようにするとよいでしょう。
「考察」の段落構成は一般的には以下のように分けることが推奨されていることが多いです。
今回は論文におけるメインパートである「結果」についてです。結果の書き方のポイント、および各セクションにおける記載のポイントについて説明してみたいと思います。
論文の「結果」の記載のポイントは以下の2点になります。
論文の中で最も正確で詳細な記載が求められるのが方法、methodsセクションです。論文を書き始めるときに最初に取り組む部分と定めている研究者も少なくないと思いますが、今回はこの部分で記載すべきことをまとめてみました。 (さらに…)
論文執筆の際、実は最も難しいといわれるセクションの1つが導入部、つまりintroductionと言われています。この部分では自分がどうして研究を行ったのか、理論的な背景を述べながら読者の興味をそそるような内容にする必要があります。
とはいえ奇をてらった書き方が求められているわけではなく、一定の手順、セオリーのようなものがあり、それに従って記載するだけで一定の質を担保できます。
今回の記事では、『はじめに(introduction)』をどのように記載するのかについて説明したいと思います。
冒頭でも述べたように、イントロ部分の役割は、なぜその研究を実施するに至ったのか、という経緯を説明することにあります。
「巨人の肩の上にのる矮人」(きょじんのかたのうえにのるわいじん、ラテン語: nani gigantum umeris insidentes)という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。 (さらに…)
研究成果を発表するならば学会発表や商業誌ではなく、原著論文にこだわりたいものです。今回は、原著論文の構成についてご説明します。
原著論文は、研究の背景や方法から考察まで、決められた約束に則ってもれなく記載する必要があります。
この「決められた約束」というのが、IMRAD方式と呼ばれる構成になります。
IMRADとは、 (さらに…)
論文の内容を読者に効果的に伝えるには、まずは論文をうまく組み立てることが不可欠ですが、抄録にはそのエッセンスをいかにわかりやすく、そして魅力的に書けるかが重要です。しかし抄録(要旨)の書き方にも一定の約束があり、それを守って書くことが必要です。今回は抄録の書き方についてまとめました。
要旨(アブストラクト)とは、研究の背景や方法から結論まで、 (さらに…)
医学論文においては、著者に誰の名を連ねるかということと、その順番を決めることというのは論文投稿をする際の隠れた難関であることがしばしばあります。内容に同意していたにもかかわらず順番が気に入らないということでいざこざが起こったりすることもあり得るため、できるだけ論文執筆の段階である程度きめておくことが望ましいです。遅くとも英文校正に出す前には決まっているべきでしょう。今回は誰を著者に加えるのか、そしてその順番や役割についてまとめてみました。 (さらに…)